Picture Collection 六本木・広尾・麻布十番からすぐの写真館

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六本木店
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プロの仕事0回目の話

元気ですかーっ!!
元気があれば何でも出来る。ブツ撮りも魂込めて撮ります。カメラマンの松谷です。撮影商品にもめっちゃ喋ってます。いいよー綺麗だよー
普段は人物写真が多い私の仕事ですが、時々グッと詰まった感じでブツ撮り、すなわち商品を撮影する仕事をいただきます。

毎回魂込めて撮ってます。昔々丁稚として働いていたスタジオではこの’ブツ撮り’がそれこそ毎日毎日。

僕等はスタジオの中で怒られ嫌になっちゃうよ。

ある朝僕は僕の先生と喧嘩して海に飛び込んだのさー♬あっそれはたい焼きくん。違う。とてもとてもいい先生でした。

で、その先生から私が初めて撮影しなさい。。いや、撮っとけ!!と言われたのがサバ。サバ、Saba、そう鯖です。魚の。

確か、スーパー様の鮮魚市のチラシの目玉で必要な大事な大事なカットでした。スタジオの小道具の竹製ザルを用意して水で濡らし、裏山で事前に採取した笹をこれまた水で濡らし、最後に主役の立派なサバさんを鎮座。。っておかしいか。

とにかく格好良く寝ていただいたわけです。こちらもピチピチに見せるために霧吹きでシュッシュッと。

この辺りはガキの頃からのアルバイト人生で鍛えた手腕がヒカリます。

「うーん天才」と心の中で思っておりました。

見た目バッチリのサバさん、いや君はもうフランス語であえてCAVAと呼ぼう。かっこいい。

いつものライトを手際よくセットして、いつものカメラを手際よくセットして、ポラロイドを引く。

(’ポラロイドを引く’は’MDを聴く’くらい今はなかなかやらないことだから、魔法の板で調べてね)背景はもちろん某有名料理雑誌の様に黒。

そしてライトをビシッと。で、引いたポラロイド見たらまっしろ。何が?CAVAが。いやサバが。

辛うじて頭の目玉辺りだけ写っているけどサバさんの胴体が、まっしろ。

簡単なことでウロコがキラキラしている上に霧吹きもプラスでいろいろ反射しまくりの助。

でもってライトを触るのですけど、根本を分かってないからずっと光る。ポラロイドも何枚も引くのだけどずっとずっと光る。文字どうり(泣)そうこうしているうちに笹が何だかこうなんていうんですか、萎びてくる。

ザルもこうなんていうんですか、乾いてくる。

笹とザルに気をとられているうちに大事なサバの、大事な元気がない。

もともと元気に活動はしていないのだけど、ちょっとグタッと。分かります?サバを触った手でカメラも触るものだから、でもってポラロイドも引くものだから何だかかなり「ヒジョウニマズイ」まっしろになっている頭で、半泣きで新しいポラロイドの箱を開けようとした瞬間、背後から神様の声が。

「よっしゃ変わろか」先生。。。

その夜は生まれて初めて涙で枕を濡らしました。

素敵なファッション誌を見ながらピチピチだったりを撮影するべく勉強に励んだ生意気なガキは、この日一匹のサバに見事にしてやられ、

今でも時々この日のことをフッと思い出すのです。

先生の引いたポラロイド、裏にデータを書いてまだどこかに持っているかもしれません。以上撮影の仕事0回目のお話し。

ご静聴ありがとうございました。次は仕事113回目あたり、たかーいクレーンの先につけた籠に入ってブランブランの状態から見事に撮りきった話か、

空撮でカメラバッグを閉め忘れ、旋回中に中身がびっくりするくらい散乱して何かがどっかにいった話あたりを是非。
次回も元気に 1 2 3 ダーッ!!祈皆復興健康元気!!